週報_第2157回（第17回）Vol.48 No.17 2025年 12月 12日（金）

会長の時間〈12月5日〉

筋トレの誤解

・世の中には誤解が多い
世の中には｢誤解｣というものが数多く存在すると感じています｡最近話題になっているテレビドラマ｢それじゃあ､あんたが作ってみろよ｣もちょっと誤解を生む作品のようです｡
私はその作品を実際に見たわけではありませんが､話を聞いた限りでは､いわゆる昭和の父親像のように､細かいことに口を出す九州男児の気質が､やや強調されて描かれいるということを聞きました｡

・ロータリーへの誤解
そういった誤解は､私たちのロータリークラブに対しても向けられていることがあります｡｢宗教団体ではないか｣｢怪しい団体ではないか｣｢飲み会ばかりしているのではないか｣といったものです｡最後の点については否定できないところもありますが(笑)､このようにロータリーについても誤解を受けていることは少なくありません｡

・筋トレの誤解
これは筋トレの世界にも共通する話です｡
筋トレに関しても､本当に多くの誤解があります｡今日はその中からいくつかをご紹介します｡

・筋トレをすると背が伸びない→むしろ伸びる可能性大
まずよく言われるのが､｢筋トレをすると背が縮むのではないか｣｢子どもが筋トレをすると身長が伸びなくなるのではないか｣といったものです｡しかし､これは明確に｢いいえ｣です｡心配する必要はありません｡
たしかに､体操選手には小柄な選手が多いですし､ボディビルダーも比較的小柄な方が多い傾向にあります｡世界的なトップ選手もそうです｡ただ､これは筋トレが原因で小さくなったわけではありません｡体操競技は体が大きいと不利になるため､自然と小柄な人が残るのです｡体の大きな人は高難度の動作が難しく､体操競技には向かないというだけの話です｡
ボディビルダーについても同様で､筋肉のつく量に対して見た目に与えるインパクトは､身長が低い方が大きくなります｡たとえば､同じ3kgの筋肉がついたとしても､身長160cmの人と180cmの人とでは見た目の印象はまったく異なります｡小柄な方がより筋肉が目立ちやすく､競技として有利になりやすいのです｡
このような理由で､体操選手やボディビルダーは小柄な人が多いだけであって､｢筋トレをすると背が伸びない｣というのは､完全な誤解です｡

・筋トレをするとパフォーマンスが落ちる→やり方が間違っている｡
次に､｢筋トレをすると体が硬くなる｣｢パフォーマンスが落ちるのではないか｣という意見について｡
これは､ある意味では真実です｡というのも､今から30～40年前に筋トレが日本に導入された際に主流だったのは､マシントレーニングでした｡現在もフィットネスジムに置かれているような､あのような機械です｡
マシントレーニングでは､可動域が限られているため､確かに体が硬くなり､パフォーマンスが下がることがあります｡ボディビルダーにとっては筋肉が大きくなることが目的なので問題ありませんが､一般の人やスポーツ選手にとっては､そのトレーニングが直接的な動作に活かされず､怪我につながることもあったのです｡
しかし､スクワットやデッドリフトといったフリーウェイトのトレーニングでは､むしろパフォーマンスは確実に向上します｡たとえば､世界一“筋肉のモンスター” たちが集まるのはアメリカンフットボールのプロ選手たちです｡彼らはウェイトトレーニングを日常的に行っていますが､パフォーマンスはむしろ上がっています｡
それが何十億円も稼ぐ選手たちの基礎を支えている事実を見れば､筋トレがパフォーマンスに悪いというのは完全に誤解だとわかるはずです｡特にマシンだけに頼るとパフォーマンスが落ちる傾向がありますが､バーベルやダンベルを使ったトレーニングであれば､むしろ動きが良くなるのです｡
ちなみに､散歩して10kg痩せるのも立派ですが､筋肉をつけて5kg体重が増えるのも良いことだと私は考えています｡

・筋トレをすると痩せる→頑張りましょう！
他にも誤解はあります｡｢筋トレをすると痩せるのか｣とよく聞かれますが､結論から言うと､筋トレでは痩せません｡筋トレは筋肉を大きくするものであって､体脂肪を落とすものではありません｡
｢筋トレをしたら細くなる｣と思っている方もいますが､実際には大きくなります｡筋肉ですから､鍛えれば太くなります｡当たり前の話です｡痩せたいなら､食事を減らすしかありません｡ただ､そうすると筋肉まで減ってしまいます｡筋力は､身体活動を支えるために最も重要な要素の一つです｡その筋力を犠牲にしてまで痩せたいというのなら､食事制限だけでも良いかもしれませんが､私はそれには反対です｡
だからこそ､筋トレをして筋肉をつけながら､適切に食事を調整して痩せていくのが本来あるべき姿です｡ただ､世の中のジムや広告では｢筋トレすれば痩せます｣と誤解を与えるような表現がされているため､混乱を招いているのだと思います｡
本来､筋トレは太る前に始めるものです｡筋肉をつけながらしっかり食べて､健康的な身体をつくっていく｡その先に減量がある｡だから私は､｢筋トレをすれば痩せますか？｣と聞かれたときには､｢頑張りましょう｣と曖昧に答えるようにしています｡

・筋トレをするとムキムキになる
最後によくある誤解として､｢筋トレをするとムキムキになるのでは？｣という声があります｡特に女性に多いです｡でも､そんなに簡単にはムキムキにはなりません｡仮にムキムキになれるなら､それで飯が食えます｡ある意味ハッピーですよね｡
男性でも｢マッチョは嫌だ｣とか｢そこまでなりたくない｣という人がいますが､まずはそのレベルまでやってみてから言ってほしいです｡
たとえば､有名な横川尚隆選手のような体型になりたくないという人もいますが､あの体になるまでにどれだけの努力と時間がかかっているか｡
｢毎日100万円あげるから､あのトレーニングやれ｣と言われても､多くの人はできません｡それを彼らは何年も続けているのです｡その努力を想像したうえで､｢あれは嫌だ｣と言ってほしいと思います｡
もし筋トレをしてみて､｢ムキムキになりすぎた｣と思えば､やめればいいだけの話です｡筋肉は使わなければ自然に落ちていきます｡怖がる必要はありません｡まずはやってみて､そこから判断しても遅くはありません｡
筋肉がつきすぎたら――だたし､もうその時点で､あなたは仕事を辞めても筋肉で飯が食えます｡そんな世界です｡

・真実かどうか
世の中には色々な都市伝説や誤解は多いです｡
でも､もっとシンプルだと思っています｡
筋トレはやった方がいいし､
ロータリーは素晴らしい団体です｡
誤解をなくすことで､解決する問題もたくさんある気がします｡
｢真実かどうか｣
４つのテストの一番最初にこれが来ているのも､その重要性を示していると思います｡
世の中をよくするためにも筋トレの誤解をなくす活動を頑張ります｡