週報_第2155回（第13回）Vol.90 No.12 2025年 11月 14日（金）

会長の時間〈10月10日〉

会長ミニ講和｢徳を積むということ｣

皆様､こんにちは｡
    私は､趣味でヨガを実践していることから､インド哲学やその思想に深い関心を寄せております｡先日も､インド哲学を専門とする講師をお招きし､会員向けのセミナーを開催いたしました｡
    インド思想には､｢輪廻転生(りんねてんしょう)｣や｢因果応報(いんがおうほう)｣､｢縁起(えんぎ)｣といった概念があります｡これらは仏教を通じて日本にも深く根付いているため､私たち日本人にとっては､比較的受け入れやすい考え方ではないかと思います｡

【徳を積む】
    そのインド思想の中に､｢徳を積む｣という考え方があります｡現世での行いが､来世の自分に影響を与えるというものです｡善い行いをすれば､来世ではより良い存在に生まれ変わり､神のような高次な存在に近づくことができるとされています｡
    私はこの｢徳を積む｣という考え方を､まるでポイントを貯めるゲームのように捉えており､非常に興味深く感じています｡日常生活においても､｢この行いは徳を積むことになるだろうか｣と考えることがあります｡
    また､重要なのは､何か見返りを期待して善行を行うことは､本来の趣旨とは異なるということです｡｢より良い存在に生まれ変わりたい｣という下心から善行を積むのではなく､見返りを求めず､純粋に善い行いを積み重ねていくことが大切だとされています｡

【いいことをすればいいことになって返ってくる】
    これは､ビジネスの世界でよく言われる｢人間力を高める｣ということにも通じる考え方ではないでしょうか｡自らの行いが巡り巡って､何らかの形で自分自身に返ってくる｡この因果応報や縁起という考え方は､私が好きな価値観の一つです｡

【ロータリー活動は徳のポイント】
    ロータリーの活動も､まさにこの｢徳を積む｣実践の一つであると私は考えております｡
    本日､皆様がこうして例会に出席されていることも､徳を積む行為と言えるでしょう｡そうして積んだ徳は､来世という遠い未来だけでなく､現世において､5年後､10年後に何らかの形で自分たちに返ってくるのではないかと､私は信じております｡

【筋トレやるだけで１０ポイント獲得】
    徳を積む方法はいくつもあります｡
    私は筋力トレーニングも｢徳を積む｣一つの方法だと捉えています｡
    ｢この一回の努力が､未来の自分のためになり､徳を積むことになる｣と考えることで､困難なトレーニングも乗り越える力が湧いてきます｡
    今の自分の身体は過去の因果で今の身体になっています｡
    また今日の行いが､5年後､10年後の自分自身の身体を形作ります｡
    まさに因果応報です｡

【パキスタンとロータリー】
    さて､インドに話を戻します｡
    インドの西側にはパキスタンという国があります｡歴史を遡れば､この地域もかつては広大なインド文化圏の一部でした｡
    世界史で習うインダス文明の｢モヘンジョダロ｣や｢ハラッパ｣といった巨大な遺跡は､現在の国境ではパキスタン領内に存在します｡
    このパキスタンは､ロータリーの活動において非常に重要な国として位置づけられています｡
    ポリオの常在国が､世界でアフガニスタンとパキスタンの二カ国だけとなっているからです｡(2025年現在)
    ロータリーにおける｢徳を積む｣ための分かりやすい方法の一つに､｢寄付｣があります｡
    私たちの寄付は､ポリオ根絶という世界的な活動を支える大きな力となります｡

【ポリオデー】
    来たる11月は､ロータリーの｢財団月間｣です｡10月24日は｢世界ポリオデー｣であり､11月は､ロータリーの｢財団月間｣です｡
    皆様にはぜひ､｢ポリオ・プラス｣などのプログラムへ積極的にご寄付をいただき､｢徳｣を積んでいただければと存じます｡
    その善行は､どこかに影響しますし､めぐりめぐって自分自身にも返ってきます｡
    未来もっと良い世界にするために小さな善行を積んでいきましょう｡